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『オレが総理大臣ならこうするのに!』 を公約として書いたりしています
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 昨晩、NHKで来年5月から始まる 「裁判員制度」 に関する特集番組をやっていたので見ました (3時間番組だったんですが、外出予定があったので見れたのは最初の1時間だけ)。

 番組でオレ自身が感じた制度に対するメリット&デメリットと、インターネット上で見つけた賛否意見を箇条書きし、その上で自分の意見を補足するというカタチにしました。


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オレが感じたメリット

① 一般社会的な感覚を 「裁判官」 に学ばせる
② 『責任を負えない』 という国民の無責任さを戒められる
③ 「無知は罪」 を肌で知ることができる
④ 判決は、陪審員制度のような 「全員一致」 ではなく 「多数決」
⑤ 世間に対し無関心な人の意識改善に繋がる
⑥ 犯罪の抑制に繋がる

 ①は、裁判官も所詮 「公務員」 なので一般常識・判断に欠けるところが多い筈で、裁判官育成に繋がればいいな、と思いました。
 ②は 「責任を負いたくない」 日本人的な無責任さを改めるのに良いと思いました。 日頃食べている鶏肉は、自分の代わりにニワトリを殺してくれる誰かが存在している事実の認識に近い感覚です。
 ③も、法律の専門家じゃない一般人が知識の無いまま参加する事が、実際は 「知識が無いから正確な判断が出来ない」 というのは言い訳にしかならないという事実を肌で感じることに繋がる、と思ったからです。 知らないから許されるのは未成年までですから。 ただ、 『無責任、万歳!!』 な今の日本では、この制度のメリットは国民にとってデメリットにしか映らないでしょうね。 これが戦後の日本教育で育んだ 「成果」 だと受け取る他ありません。 先進国の中で日本はダントツで自営業率が低いそうです。 これ以上ない 『無責任、万歳!!』 を物語る証拠です。
 ④は、意見の違う裁判員の 「心の逃げ場」 になるかな? と思ったので。
 ⑤⑥に関しては、正直期待はしてませんので “しいていえば” 程度のものです。


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オレが感じたデメリット

① 他人を裁いた事に対する責任感と重圧に押し潰される人がでる
② 判決は、陪審員制度のような 「全員一致」 ではなく 「多数決」
③ “経験の積み重ね” が生かせない制度

 ①は、下記の 【ネットで見つけた賛否意見】 にも多かった意見ですが敢えて重複記載しました。 コレこそ今迄 「人を裁く」 責任を人任せにしてきた社会への戒めとも取れる一方、やはりその重圧感は個々によって大きく違うモノで、コレによって人生を狂わしかねない存在となる可能性がある以上、裁判員の人選をテスト形式にするなどして慎重にすべきと思います。
 ②は、「メリット」 として書いたことに矛盾してますが、個人的には 「全一致」 が理想なので、一応。
 ③に関しては、裁判官も裁判員も所詮人間なので、裁判によって判決に色がでてしまうのは致し方ないですが、どんな仕事でも 「経験」 「場慣れ」 が判断を大きく左右するモノで、それを初経験者に裁判官と同じ冷静な判断を期待するなら無理でしょう。 コレばかりは 「知識」 では補えません。 逆に期待していないなら、公正な裁判を放棄したことにすらなる。 ここが 「裁判員制度」 の致命的欠点だと思われます。
 勿論、裁判官だって最初は初心者です。 しかし裁判官には経験を後に生かすチャンスがある。 裁判員には一生訪れないでしょう。 どんな仕事にも云えることですが、物事の進歩には失敗の積み重ねが必要で、ソレが存在しない (失敗を生かせない) システムに価値を見出すことは難しい。


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ネットで見つけた賛否意見

① 非常に民主主義的
② 甘い判決が多すぎる現状を打開できる
③ 裁判員として参加期間中の保障が皆無
④ 参加拒否権が無い
⑤ 素人に判断を任せると感情が先行する
⑥ 与えられた情報のみを元に判断しなければいけない
⑦ 守秘義務を守れる自信がない
⑧ 一般人は情報に左右されやすい
⑨ 他人を裁いた事に対する責任感と重圧に押し潰されそう
⑩ 犯人の逆恨みが怖い
⑪ 人を裁くな。 あなたがたも裁かれないようにするためである

 この 【ネットで見つけた賛否意見】 に関しては、目立った意見とオレが面白いと思った意見を選んで載せました。 ちなみにネット上で賛成意見を見つけるのは困難で・・・、①②以外は全て反対意見ですね。
 ③④は、信じ難いほど初歩的な制度の 「穴」 で、例を挙げるとキリがないですが、場合によって参加が影響して生活に困ったり、人の生死に関わる場合も出てくる筈なので、最低でもココは改善すべき。 っていうか、本当に拒否権ないの??? 多くの人が、憲法18条 (身体的自由権) 違反を訴えるのも当然です。
 ⑤~⑧は本来、個々さえシッカリしていれば問題ない筈で 【オレが感じたメリット】②③ がこれ等に対するオレの答えです。
 ⑨⑩は意外と深刻な問題で、⑨はきっと一生自責の念を背負ってしまう人がたくさん出現し、最悪自殺なんてことに繋がる可能性も大。 ⑩は稀なケースだと思いますが、発生した場合は事実上解決不可能でしょうね。
 ⑪は 「聖書マタイによる福音書」 だそうです・・・。 キリスト教徒の方の意見でしょう。 面白いので載せました。 バッハの 「マタイ受難曲」 は好きですが、宗教的な発想は苦手です。

 制度に対するアンケート的なモノも発見しましたが、反対意見の方が多い現状のようです。 まあ、当然の結果だとは思いました。
 



 心情的には制度賛成に回りたかったんですが、今回 【オレが感じたデメリット】 の③に書いた内容に納得が出来ない以上、この制度へは断固反対せざると得ない、というのがオレの結論です。

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 元厚生事務次官ら連続殺傷事件。 旬を逃した感のある今テーマですが、今夜テレビで爆笑問題の太田光が 「太田総理」 の番組でこの事件について、 『こんな事件を起こしたくらいで世の中を変えられると思ってほしくない』 みたいな発言をしていたのが、どうも引っかかっりました。


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 事件当初は 「社会保険システム」 に対する政治的犯行だと思われていた今回の事件も実は、犯人が子供の頃に飼っていたペットを保健所に殺された事に対する恨みが直接の動機だとか、逮捕後の報道で耳にしました。 『保健所の管轄である厚生省は年間50万匹もの罪も無い動物を殺している』 とのことらしいですね。
 正直、オレも事件直後は政治犯だとは思い込んでいましたが (社会保険云々は違うと思ってました)、真相を聞いて非常に複雑な気分になりました。 だって本当に “罪も無い動物達の復讐” だったのだとしたら確かに悪いのは明らかに人間側ですしね。 これについては言い訳一つ出来ない。 勿論、大前提として理由は何であれ、法に背いたら罰せられるのは当然だし、人を殺しちゃいけない。 だから犯人に対しての同情は皆無です。 しかし、オレも動物は殺していいけど人間はダメという理屈がこの齢になってもイマイチ理解出来ない。 なので、今回の犯行に対しての非難の仕方も分かりません。 いくら考えてもこの 【動物<人】 の原則が飲み込めません。 誰かオレに誰にでも納得できるような答えをください。。。 (でもオレは人間も好きなので、伊坂幸太郎っぽい答えは必要ありません)
 一時期、動物虐待が社会問題になりましたが、野良猫の足を切り落として喜んでいるキチガイと、牛の死骸にデミグラスソースかけて食べてる人の違いは何処にあるんでしょう? こんな事を書くと頭のオカシな変人に思われてしまうでしょうけど、納得していないんだからウソもつけません。

 犯人の逮捕後、当初政治犯だと思われていた犯人の犯行理由を知り一転、報道機関がこぞって事件を 『個人的な恨みから・・・』 みたいな扱いをしていましたが、丸っきり本質を見抜いていないと思われる。 いやワザと本質を見逃した&触れなかったのかもしれないけれど、結局あの事件は政治犯だったんです。 目的も全く違うようでそれほど違いはなかったんです。 「老人」 に代わっての復讐ではなく、「動物」 に代わっての復讐だっただけで。
 

 で、話を太田光の発言に戻すと、今回の事件は本当に 「世の中を変える為」 なのか? オレには、それ以前にある自分の信念に沿っただけの犯行だったように思えてならないからです。 
 勿論、真相なんて分かりません。 もし犯人がベジタリアンじゃなかったら本末転倒ですし、実は上手くいかない自分の人生を他人のせいにした程度の低い逆恨みなのかもしれないし。 でも、報道されているままを鵜呑みするなら、今回の事件は今後もいつ起きてもおかしくない事件だとは思います。 世の中を変えられる変えられないに関係なく。 
 



■ 「理想」 vs 「現実」 その5


子供 : なんで、人を殺すと犯罪になるのに、牛とか豚とか魚とか動物を
      殺して食べるのはOKなの?

理想 : う~~ん、実はオレもさ、そこがよく分かんないんだよ。
      人を殺しちゃいけないのは当然なんだけど、無闇に動物を殺しちゃ
      いけないのも同じくらい当然な気がするモンな。

理想 : いつものように 「現実」 が答えてくれるだろう。 
      あれ? アイツ何処にいった??

子供 : あ、オジサン。 なんか手紙が置いてあるよ。

理想 : ほんとだ。 どれどれ?

理想 : コレは 「現実」 の書き置きだね。 
       『
オマエ等の相手は飽きた。 ガキが次に何か言ったら、
        「社会のルールは多数決で決まるんだ」 とでも答えてやれ

       だとさ。

理想 : 人には色々な考え方があって、「人間が一番偉くて、動物は下等だから
      問題ない」 とか 「動物は心を持っていないから食べても平気だろう」 
      みたいな身勝手な解釈が常識で、結局それが人間の持つ欲望を
      正当化する 口実なんだろうよ。

子供 : 答えになってないよ。 

理想 : う~~ん。 なってないよな。。。 
      でもだ、宮沢賢治の 「ビジテリアン大祭」 ってのを読んでみなよ。
      肉食中心生活を支持する人の意見ってのは無理があるんだ。
      ちなみにオレの場合、ベジタリアン (菜食主義) じゃあないけど、
      肉類はあんまり食わないことにしてるよ。

子供 : 宮沢賢治って 「銀河鉄道999」 を書いた人だっけ?

現実姉さん : アンタ達、何してんの?

理想 : おお、ちょうどいいよ。 この子がさ・・・ (中略)
      ってワケなんだ。

現実姉さん : アンタ達、バカじゃないの?
          動物だって、肉食動物がいるでしょ? それと同じじゃない。
          それに動物性の栄養分ってのは人間が生きていく上で
          とっても大切なのよ?
 

理想 : ちっとも同じじゃねえよ。 動物達は生きるのに必要分以外は
      捕ったりしないんだから。
      それに、菜食だけでも生きていける人間と一緒にするんな。
      食うに困れば肉もいいさ。 でも日本は違うだろ?

 
現実姉さん : お肉ってのは長生きの秘訣なのよ?
          それに最近では適度の肉食が病気の予防にもなるって
          エラ~イ学者さん達だって言ってるの!

理想 : (動物の命を奪っておいて長生きもクソもあるかよ)

 この年齢になって、やっと “世の中のカタチ” が見えてきたような気がします。 


 思えば、義務教育を受け、当然進むべき道のように進学し、勧められるがまま就職し、何を振り返る余裕も無いほど忙しい毎日に振り回され、ゆっくりと世の中のカタチを把握する暇も無かったようです。
 しかし、その “忙しさ” の御陰でオレも周りの連中も、違和感や理不尽さは感じつつも一日一日を乗り切ることで精一杯な生活を繰り返しているのでしょう。 そういう意味では、今の世の中は非常に完成された世界なのかもしれませんね。 迷う道も、考える余裕も与えない程、完成されたシステムで成り立っている世界なのですから。 一見。

 誰もが義務教育課程において疑問に思っただろう 『勉強が将来何の役に立つのかな?』 や、 『このまま社会の歯車として一生を生きていくのかな?』  も、有無を云わせぬスピードで過ぎてゆく世の中の完成されたシステムの中で生活しているうちにウヤムヤになり、社会に出て、結婚をし、子供が生まれ家庭を築いた時には “時、既二遅シ” 。  自分の家族を守るだけが精一杯となり、その後もチラチラ目に映る 「理想」 には目を伏なければ現実についていけなくなり、結果、 「理想」 を否定しなければいけない状態にまで追い詰められ、歪んだ世界でヨシとする。 ・・・コレが今の社会のカタチ。

 歪んだ世の中で育った人間が歪んだ政治家を生み、歪みに対する責任転嫁の的にする。 非常に自然な流れです。 当然、国民全員が歪んでいるので政治家だって歪んでいる。 社会自体が歪んでいるので、会社の社長や上司も歪みっ放し。
 そして、ソレを痛感させる言葉を社会人なら一度や二度は上司や先輩から言われてきたんじゃないかと思います。 『やりたくなくてもしなきゃいけない事があるんだ!』 です。

 “やくたくなくても” っていうのは、簡単に云うと “道徳的じゃなくても” って事ですね。 『キレイ事だけじゃ世の中は回らないんだ』 という事です。 確かに、現在の世の中は間違いなくそうです。 キレイ事じゃ回らない世の中です。 キレイ事じゃ回らない世の中を作った人がいて、キレイ事じゃ回らない世の中のほうが実は “己の欲望に対して素直な世の中” なので、欲望中心の世の中を存続させる為には当然キレイ事だけじゃ収まらない、という寸法なワケですね。
 良いモノを食べ、良い服を着て、良い車に乗る為には一旦出来上がった社会を続けるしかない。 それによって人間以外の生物に犠牲が出ようと、経済格差を生むことで飢餓難民を生もうと、先進国で発生したゴミをその後進国へ押し付けようと、北極が溶けようと、砂漠化が進もうと目を瞑って、己の欲望を満たす為だけに目を瞑って進んでいく。 「エコ」 だの 「ロハス」 だの言葉だけがカラカラと虚しく空回りしたまま必要以上にガンガン電気を使い、必要以上にブンブン車に乗り、必要以上にガツガツ動物を殺し、その遺体を食べ、突き進んでいく。 「便利さ」 という快楽を突き詰めた挙句、人間が生きていく上で必要の無いモノばかりが溢れ返っている。 

 では何処から、何時からソレが始まったのかといえば当然イタリアの 「ルネッサンス」 以降、ということになるのでしょう。 “キレイ事だけじゃ回らない世の中” を正す為には、いくらどう考えてもその時代以前の生活に戻る他手立ては無いんですから、後戻りなんか出来ません。 人間という 「欲望」 生物には無理です。 


 コレは一見、俗に 「テロリスト」 と呼ばれているイスラム原理主義者連中などに近い発想に映るかもしれませんね。 だって 「資本主義」 「西洋文化」 だって見方を変えれば 「宗教」 の一つですし、「洗脳」 の一つなんですから。 しかしオレは宗教が大嫌いですし、オレは社会主義者でも共産主義者でもなく、ましてや資本主義者でもなく、しいて云えば 「地球主義」 でありたいと願っているだけです。


 正直 『やりたくなくてもしなきゃいけない事があるんだ!』 の社会を築いてきた世代を恨んでも恨み切れないトコロはあるんですが同時に、当時の日本の状況を考えれば誰を恨むことも出来ません。 太平洋戦争後の混沌の中、生きてゆく為に無我夢中で掴んだ豊かさが結果、こんな暖衣飽食の時代へと変わってしまうなんて誰も想像しなかったんでしょう。
 実際、今の戦後生まれの連中をみていると、そんな同情は打ち消したくなるようなクズばかりにしかみえませんが、無理やりにでも前向きに捉えることにします。

 昭和より以前に、こういう “世の中” が訪れることが百も承知だった人もいたようです。 
 何故、明治時代、夏目漱石が発した 「警鐘」 に誰も気がつかなかったんでしょうか? 何故、誰も真摯に向き合わなかったんでしょう? 戦後にだって三島由紀夫が “最後の警鐘” を鳴らした筈です。 己の身を持って。
 
 最近の話題に当てはめると、世界的原油高やサブプライム問題が発端の金融恐慌に世界が右往左往している姿が鼻で笑いたくなるほど滑稽に映りますが、資本主義経済自体が 「バブル」 だったんだと、タネも仕掛けもある 「手品」 だったんだと当事者達は気付いているはずなのに、人間が持つ欲望がジャマをして今後も目を伏せ続けて、今後もただただ突き進んで行くのでしょうね。 

 
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 なんでも、ドストエフスキー作の小説 「カラマーゾフの兄弟」 が “東大生に薦めたい本の第一位” だとか本の帯に謳ってありましたが、薦められた東大生達は、この本を読んでどんな感想を持つんでしょう?? 『気持ちは判るけど、現実的じゃないよね』 でしょうか? 既にこの “世の中” に染めきられてしまっている学生達には “おとぎ話” にしか映らないんでしょうか? 何の学生運動も発生しない今の状況をみれば答えなんて聞かなくても分かってますが。。。 今の東大生なんかに薦めても何の役にも立たない本でしょう、あれは。 
 「カラマーゾフの兄弟」 はロシア文学であり、キリスト教という宗教が基本テーマではありますが、非常に日本人にも当てはまる内容だと思います。
 経済発展国の中で、日本は最も自営業者の割合の少ない国だそうですが、日本人は “従う” 事、言い方を換えれば “おんぶに抱っこ” が好きな民族なので、これをカラマーゾフ的にいえば “地上のパンを求め、服従する対象を求め続ける弱く哀れな存在” に一番近い気がします。
 



 今回の 「世の中のカタチ」 は、“自分自身の人生が何処にあって、何を元に組み立てられ、何に管理されているのか” についてでしたが、ソレを考える時間を作れたというのはオレにとって幸運だったかもしれないけど・・・、ひょっとすると逆にコレこそがオレにとって最大の不幸だったのかもしれないです。 「世の中のカタチ」 など見えないほうが幸せだったのかもしれません。
 もし思春期に 『勉強が将来何の役に立つのかな?』 という疑問に対して的確に、今の時代に飲まれやすいように答えられる大人が一人でもいたら、オレもこんな人間には育たなかったのかもしれませんから・・・。 少なくとも既に家庭を持ち、 “家族を守る責任” が発生してしまった後では簡単に身動きが取れない状況になっていたんですから。


 「パンのかけら と ちいさなあくま」 は、オレが通っていた幼稚園に置いてあった絵本のタイトルです (このブログのタイトルもココから拝借してます)。

 当時、絵本は好きじゃなかったんですが (女の子が読むモノと決め付けてたので)、あの本だけは何故か今でもしっかり覚えています。 たまたま近所の幼馴染みの家にも置いてあったから尚更かもしれません。 だからといって普通、絵本のタイトルまで覚えていられるモンじゃないんですが、昨年たまたま、甥子のクリスマスプレゼントを考えている時に、フッと思い出したのがキッカケでした。
 思い出したのは、物語や、不気味なのに可愛らしい挿絵もなんですが、何より子供心に強く印象に残っていたのが “悪魔が良心を持っている” ことでした。


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 “この世には完全な善人も、完全な悪人もいない”

 昔観た映画 「ディアボロス(The Devil's Advocate)」 では、アル・パチーノ(Al Pcino) が経済界のドン役で出演していて(モデルは間違いなくロックフェラー)、その映画のテーマが “大儀を成す為の小さな悪は必要悪” な感じで、善い事をするにも、その過程で必ず乗り越えなければならない悪事 (犠牲) が存在し、逆にそれを乗り越えられた者だけが大きな 「善」 を行なえる、みたいな何とも割り切れないモノでした。  ちなみに映画では最後、アル・パチーノの片腕となったキアヌ・リーブス(Keanu Reeves) が善悪の狭間で苦悩の末、ボスを裏切るカタチで在野に下る。


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 無慈悲、非情と云われる一方で、事業家 (石油王) ・慈善活動家として世界的に有名だったロックフェラー氏の 「悪魔信仰」 っぷりは有名らしく、ニューヨークのロックフェラー・センター (現:GEビル) には当時、悪魔に纏わる絵画や彫像が数多く飾ってあったそうです。 誰でも助けるフリだけする 「神」 よりも、敢えて誰も助けない 「悪魔」 こそが真実に映ったんでしょう。
 例えば、山間にある人口500人の小さな村が突然、ダム湖建設地となってしまい、村人は猛反対したものの建設が始まってしまう。 村人にとっては大切だった想い出も、伝統も、家も、お墓も、花々も、全て湖の底に消えてゆく。  しかし別の方向から見れば、その下流に住む人口10万人の街では、そのダムのおかげでやっと深刻な水不足から開放され、安心して生活を送れるようになった、と。
 全ての人を満足させる事が出来ないことは多分にある。
 ロックフェラーの 「悪魔信仰」 も、犠牲になった者達への自責の念が苦しみとなり、その苦しみを和らげるはずの、そして犠牲者を救うはずの「神」の無力さ・無意味さが、それまでの 「信念」 を 「疑念」 に変えてしまった結果なのだと考えた方が自然な気がします。
 そう考えてみれば、これまで当ブログで書いてきた人々の・・・、 政治家殺しの右翼員、中国の政治家達、 「もう、国には頼らない」 渡辺美樹氏、井伊直弼、プーチン、曹操孟徳 (映画「Red Cliff」楽しみ) 、そして我々の前の世代 (団塊の世代でもいい) も、それが善かれ悪かれ、個々が客観的にみてどうであれ、本人達が信念を持ってやってきた事には違いない。 そして我々は、その上に乗っかって生きているのも事実。 どうあがこうとも、乗っからずに生きる事なんて出来ないですし。



 の名は、しき。  中でいを語る






★追記★ (2008/11/27)
 たまたま今読んでいる小説 「カラマーゾフの兄弟」 にも同じような事が書いてあったので、追記します。
 ドストエフスキーの言葉を借りるなら、哀れな人間共が望んでいるのは、キリストが与えると約束した “天上のパン” なんかではなく、“今食べられるパン” なんですよね。 我々は人間である以前に動物だからです。 それを現代に置き換えてみれば、 “目の前にあるパン” のみに価値を置いたのが西側資本主義社会。 そして未だ “天上のパン” こそ絶対的存在なのがイスラム社会、という事でしょう。 しかし面白いのは、その西側社会の根底には 「キリスト教」 という (関係破綻しているかのように思える) 土壌の上に成り立っている点です。 辿れば古くは15世紀のイタリア・ルネッサンス期が、西側社会が “天上のパン” に見切りを付けた時期に当たると思いますが、それでも未だ資本主義とキリスト教の共存が成り立っているのは、結局、宗教が欲望と理性をコントロールするという大きな役割を果たしているからなんでしょうか。 ・・・いや、共存している、成り立っているとは言えませんね。 「資本主義」 という悪への罪悪感が未だ人々から取り払われていないんでしょう。 その罪滅ぼし的存在にキリスト教を残しているんでしょうね。 そう考えると実に潔くない連中の集団です。 キリスト教徒ってのは。



 ちなみに 「カラマーゾフの兄弟」 の現在の読書進行状況。 読み始めたのが一年半ほど前・・・で、第一編を読み終わるのに半年ほどかかり、第二編は強烈に面白くて数時間で読み終え、第三篇から第四篇の終わり辺りまでがまた苦痛で読むのに一年ほど労し、第四編の終わり辺りからまた変態的な面白さになり、今、第五編を読んでいる最中なんですが・・・コレがクセ者で・・・。 第五編の 「大審問官」 を何度も読み直しているところです。 ドストエフスキーの云う、“本当に神がいるなら何故、まだ 「罪」 を背負わぬ生まれたばかりの子まで殺すのか?” は、オレもずっと同じことを思ってましたので、何を今更?って感じです。 





「絵本ナビ」 / 「パンのかけら と ちいさなあくま」 を紹介・販売しているサイト
 http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=5069

■ 「理想」 vs 「現実」  その1


子供 : 質問! なんで、人を殺しちゃダメなの?

理想 : ・・・。 なんで、って。 ダメなモンはダメだろ?! 
      (つうか、何でそんな疑問を持つんだよ…)

子供 : だって、タケシ君って子がすごくイジワルなんだよ。

現実 : 論理的に考えれば簡単だよ。 人間は一人じゃ生きていけないだろ?
       だから自分の為に人がいて、 人の為に自分がいるんだよ。 
       それを 「社会」 って言うんだ。

理想 : ・・・。 それ、冷め過ぎじゃね?? 相手が困るからに決まってるだろ?

現実 : は? 国民全員がそんなヤツだったら、世界は今頃ぜんぶ
       「共産主義国家」 だろが。

子供 : じゃあ、一人で生きていければ殺していいの?

現実 : オマエが、0才のうちから狩猟や農耕が出来りゃあな!!

理想 : (・・・ 人間は 「愛情」 を持たずに育つと、「論理」 で片付る事しか
         出来なくなるのか ・・・)



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■ 「理想」 vs 「現実」  その2


子供 : 質問! なんで、ガマンしてまで環境を守らなきゃいけないの?

理想 : “ロンリテキ” に考えれば簡単だ。 オマエが150年後に生まれたとして
       考えてみろ。 暑いぞ~。 
       もうな、寝られないくらい暑くなるんだ。 イヤだろ?

子供 : だって先のことでしょ? 僕には関係ないジャン。

理想 : ば、バカ、150年前の人達が今の平和を作ったんだぞ。 
       そうやって受け継いでいくのも 「社会」 って言うんだ!

現実 : いや気持ちは分かるが、このガキの言う通りだ。 
       別にオレ達には関係ねえ。 それに、中国やインドやブラジルの状況は
       知ってるだろ? 既に手遅れだな。

理想 : (・・・ 人間は 「愛情」 を持たずに育つと、「損 or 得」 で片付る事しか
         出来なくなるのか ・・・)


 




■ 「理想」 vs 「現実」  その3


ガキ : 質問! なんで、日本を守る軍隊を作っちゃいけないの?

理想 : ・・・。 なんで、って。 戦争は関係ない人まで死んじゃうんだぞ?!
       可哀相だろ?

ガキ : でも、敵が攻撃してきたらどうするの?

理想 : そんなもん・・・ 『日本は法律で軍隊を持たないと決めたから、
       戦争はしません!』 って言うさ。

ガキ : ぷぷぷっ そんなこと言ってる間に死んじゃったら意味ないじゃん。
       オジサン、バカだね。
       それに、日本の人だって同じくらい可哀相じゃないの? 
      ぷぷぷっ

理想 : (クソガキめ!)

現実 : あのな~。 文明が誕生して五千年経った現在でも戦争が無くならない
       のは、良くも悪くも人間が 「知性」 と 「感情」 と 「個性」 を持っているからだ。 
       ってことは、この先も戦争は無くならないってことだ。

理想 : へ~んだ。 じゃあ好きにしろ
       (・・・ やっぱ、防衛用の軍備だけは必要か ・・・)






■ 「理想」 vs 「現実」  その4


クソガキ : 質問! なんで、男の人はアホでもお金持ちならモテるの? 
        なんで、女の人はバカでもキレイならモテるの?

理想 : つうか待てよ! 何で、オマエはそんな変な質問ばっかなんだよ・・・。

理想 : でも多分、あれだ。 (今までの流れからするとだな) 
       男は 「愛情」 より女の 「身体」 のほうが好きで、女は 「愛情」 より
       「お金」 のほうが好きな人が多いんだろうよ、きっと。

クソガキ : ふ~ん。 っていうか前から 「愛情」 「愛情」 って、オジサン何を
        ブツブツ言ってるの? 「愛情」 って何?

現実 : 「愛情」 ってのはな、【何にも出来ない人=負け組】 がよく使う
      インチキな言葉だ。

理想 : (・・・。 負け組って何だよ。 いつからオマエと競争してんだよ。 
       走ってる方向すら正反対だろが)

クソガキ : ふ~ん、よく分かった。

現実 : ちなみに男は 「身体」 で、女は 「金」 ってのは少し違う。 
       男も女も欲望(性欲と物欲)だ。

現実 : あと、「アホ」 と 「バカ」 って言い方も違う。 金持ちになるには知恵や
       努力や運が必要だし、キレイなのは天から授かった才能の一つだ。
       あと、「情」 を捨てることも必要だ。

クソガキ : ふ~ん。

理想 : いつもは 「欲望」 をウラに隠して、オモテだけ 「愛情」 で偽装してる
      くせに…、開き直りやがって。 
      結局 「愛情」 に対する負い目を感じてる証拠じゃねえか。

現実 : いや、偽装は偽装でも、我々にとっては 「暗黙の了解」 ってヤツだ。






■ 報道に日々思う、マヌケな悪循環
 

例1 「政治」

 ・自己中心的な親から自己中心的教育を受ける
  ↓
 ・社会に出て有権者になる
  ↓
 ・自己中心的欲求を満たしてくれそうな政治家に投票する
  ↓
 ・クズに選ばれた政治家だから、当然クズ。
  ↓
 ★当然の結果: 汚職、失策だらけ 


例2 「医師不足(&モンスター・ペアレント云々も同)」

 ・自己中心的な親から自己中心的教育を受ける
  ↓
 ・社会に出て親になる
  ↓
 ・妻(子供)の主治医(教師)へ自己中心的な注文を繰り返す
  ↓
 ・自己中心的医者(教師)はスグに投げ出す
  ↓
 ★当然の結果: 医師(教師)不足


例3 「食品偽装・汚染食品」

 ・自己中心的な親から自己中心的教育を受ける
  ↓
 ・社会に出て消費者になる
  ↓
 ・自己中心的に安いモノだけを選ぶ
  ↓
 ・自己中心的生産者・販売者により偽装・詐欺が行なわれる
  ↓
 ★当然の結果: 被害者が出る


全ての日本人に当てはまるの悪循環

 ・自己中心的な親から自己中心的教育を受ける
  ↓
 ・社会に出て自己中心的生活を送る
  ↓
 ・判断基準は 「自己満足を叶えるか」 のみ
  ↓
 ・国民全員、自己中だから良い結果が望めるわけも無い
  ↓
 ★当然の結果: マ ヌ ケ

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悪しき子羊
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吉田松陰と井伊直弼、正義はどちらだ? 勝者はいたのか? 己の信じる道を行く。
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