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『オレが総理大臣ならこうするのに!』 を公約として書いたりしています
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 図書館でたまたま見つけたので、発売当時話題だった 「もう、国には頼らない」 を読んでみました。 著者は渡辺美樹氏。


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まずは、読んで印象に残っている内容だけ書きます。(記憶で書いてるので正確じゃないです)
● 学校は、「客」である生徒の立場に誰も立っていない。
● 授業の成果が給料に反映されない為、やる気のない教員が増加。
● 教員を守る為に人件費が重み、私立校の半数が赤字運営。
● 教育委員会は、公立校と私立校との間で受入れ学生数を調整する談合の場。
● 学校への補助金を、「官」からではなく「子供の親」からクーポン券のように渡す制度にすれば、学校側は選んでもらう為に努力をせざるを得なくなる。
● 「社会的入院」という、寄り所のない老人を守る慣習がある為に、病床が足りなくなり結果的に病院が潰れていく。
● 医師不足にも関らず医師が一年契約の為、病院よりも医師のほうが立場が強くなり、怠慢な医師が増加。 医師の数が安定するまで、複数年契約が望ましい。
● 介護保険制度の「点数制」が、効率重視の最悪な介護を生んだ。
● 「客」である老人の立場に誰も立っていない。
● 日本の農業再生は、土地面積や人件費、地価を考えると、公的援助なしで世界市場とは戦えない。
● 輸入米が余っている為、稲作をやめ他の作物を作る農家に国が補助金を出している。
● 人間は基本的に弱く、怠け者。 楽なほうに流れるのが自然な流れ。
● 基本的に「官」には「経営」という観念が無い。
● 官僚は「教育を含めた公的事業に競争があってはダメになる」と云うが、実態は全く逆で、教職員の怠惰を生んでいるだけ。
● ここでいう「競争」とは他人との争いではなく、自分との争い。
● 日本人は「お金」を全面に出すことをイヤラシイと感じる風潮があるが、「お金」は単なる「道具」だと思えばよい。 
● 守るべきは、教員ではなく生徒と教育。医師ではなく患者と医療。農家ではなく消費者と農業。
● 基本的な「官」の考え方は、技術の低い教師・医師・農家の保護が前提。 それは一見美しいが、逆に言えば技術の高い教師・医師・農家のやる気を削ぎ、技術進歩を遅らせている。民主主義に反する。 
● 教育問題も、医療問題も、福祉問題も、自給率低下問題も、元凶は官庁による間違った(経営概念のない)政策。 民間企業参入を推進し、競争を発生させることが現在唯一の解決策。 ただそうなると格差社会(貧乏人はどの分野でも質の高いサービスを受けられなくなる)の拡大は拭えなくなる為に、国がセーフティーネット(社会的弱者の救済策)を敷く必要がある。
● 先進国(資本主義経済)が後進国の飢餓や難民を生んでいるのは間違いない。 なので、せめてもの罪滅ぼしに自らの利益をNPOでの援助活動に使っている。 10万人は救えないが、1人2人を救うことは出来る。 その1人2人が、将来自分の国を救う人材になるよう教育も受けさせたい。
● ワタミグループのスローガン 「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」
● 「もう、国には頼らない」は貧しいカンボジアの孤児達の姿が教えてくれた。



 この本の内容を誤解を恐れずに平たく解釈すれば、 “人の幸せが自分の幸せにつながる” という大前提で、 “現在の 「官」 による公共事業は、弱い10人を守る為に90人を泣かせている。 それを 「民」 でやれば70人まで幸せにできるので、滑り落ちた30人は国で保護してあげて下さい” ということですね。

 恐いのは 【落ちた30人=社会的弱者=能力不適合者=怠け者】 という短絡的な解釈が、世間的に成り立ってしまいガチな点でしょう。
 「社会的弱者」 には、肉体的弱者と精神的弱者があり、肉体的弱者には老人や障害者が含まれるが、逆に精神的弱者には 「怠け者」 も隠れ蓑として含まれる場合も多く、線引きが非常に難しい (やっかいなことに精神的弱者ほど雄弁だし…)。
 「能力不適合者」 は、単にその分野での能力が不適合なだけで、他の分野で能力を発揮できる可能性が高いので 「70人」 側に回ることが出来る。
 セーフティーネット作りは考えれば考えるほど困難ですね…。 援助を厚くすれば甘えた 「怠け者」 が増えるし、薄くすれば生き場を失った思想テロが増える (実際、予備軍はかなり居るようだ)。 ここでも以前 「公約(5-3/3)」 で書いたような、犯罪心理・行動学の研究実験によるデータ集めが必要かも。


 最初読み始めた時は、少し嫌悪感を抱きましたが、それも杞憂だったようです。 どうしても先入観を抱いて偏見の眼差しで見てしまうのが、自分の欠点と分かっているつもりですが、簡単には直りませんね。
 細かい点を一々あげれば意見の違うところがあるのは、誰でも当然ですが、個人的にも理想に近いカタチの教育改革を、それも 「民間」 側から実現しはじめている人がいるんだと、深く感動しました。
 『 「和民」 で出す生ゴミをゼロにしてから能書きたれろ!』 なんて無責任に言い放つのも簡単です。 しかし、イザ現実に実行するコトこそが困難である改革を、知恵と努力と情熱と信念と度胸で推し進めていく姿に感服しました。 ただでさえ頭の固い腐った連中が相手なだけ余計。 一般からは見えにくい教育現場の内情の一部や、公官界事情も知れて面白かったです。 
 肝心の 「セーフティーネット」 に関しては、それをどう実現するかが最大の難関なので、せっかく良い大学を出た官僚の方々には、こういうところで頭を使って欲しいモンです。

 極端ながら結論をいえば、 “この本を認める人は向上心ある市民。認めない人は怠け者” ということでしょうね。



 オレは、ベンジャミン・フランクリン的な 「舶来型資本主義」 が大嫌いです。 彼の思想では世界は「単色」になってしまいガチだからです。 しかし、渡辺氏のやり方ならそうではないかもれない。色んな色が育つ可能性がある。 そこに期待したいです。 少なくとも今まで読み聞きした 「資本主義」 提案者の中では、最もオレの身体に馴染めそうな感じです。



*鍛えて痩せるビリー型ダイエットと、寝ながら痩せるマッサージ器ダイエット。 前者はイヤでも痩せるが、後者は全然痩せられない。





 「思想テロとしての秋葉原事件」 / 橋本努 
 http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/My%20Essay%20on%20Akihabara%20Terrorism%20200807.htm

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